上手な漢方薬の飲み方を教えて下さい
漢方薬の飲み方
当院では漢方薬「エキス剤」を処方することがあります。漢方薬はいくつかの薬草を組み合わせて煎じてあり、漢方薬の種類によっては独特のにおいや味があります。上手に粉末の漢方薬を飲むためのいくつかの方法を御紹介しましょう(なお、どうしても粉末がだめな場合、一部の方剤では錠剤もありますのでお申し出ください)。
1.水さき粉あと法
粉を先に口に入れてから水で流し込むと、漢方薬のにおいや味が口いっぱいに広がってしまいます。そうではなくて、先に一口(杯に半分ぐらい少量の)水を含み口の奥に水たまりを作ります(うがいをする直前の格好です)。この水たまりに向かって、封を切った漢方薬を流し込みます(この時、できるだけ漢方薬が口の粘膜につかないようにします)。あとは水をオブラートにしてゴクリと飲み込んで下さい。ふたくち目の水で口を濯いで終了です。
2.コブ茶的内服法
漢方薬は元々お湯で煎じたものを、フリーズドライして粉末にしてあります。熱いお湯に溶かして飲めば、心ゆくまで漢方薬本来のにおいと味を堪能?でき、効果も高いと言われます。葛根湯や小青竜湯といった風邪薬ではこの法は早く体を温めるので、お奨めです。一度おためし下さい。
3.オブラート法
漢方薬はボリュームが多いので、少量ずついくつかにくるんで飲んでください。薬局に袋状オブラートを売っているはずですのでお尋ねください。
4.ストロー法
漢方薬を水かお湯に溶かし、ストローでのどの奥に直接吸い込んでください。あまりにおいや味がしなくて良いようです。
5.うがい法
のどの痛みのひどい方に桔梗湯、桔梗石膏といった漢方薬を出すことがあります。桔梗湯と桔梗石膏は上記1のごとく飲むときにガラガラとうがいをし、のどの粘膜に薬草を直接しみこませてからゴクリと飲み込んで下さい。
*なお漢方薬は食前の内服が原則ですが、食前に飲み忘れたら必ず食後に飲んでください。朝や昼に飲み忘れた分は夜にまとめて一日分を飲んでも結構です。下剤効果のある漢方は食後に飲むと作用がマイルドで持続的になります。
*せっかく漢方薬を処方してもらったけどどうしても飲めなかった、という方はその旨を正直にお申し出ください。黙っていると飲んでいるものとして次々に新しい処方を積み重ねることになります。
*漢方薬でも蕁麻疹、下痢、吐き気などの副作用が出ることがあります。
2016.4.26. 更新:眞弓 久則