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高脂血症(脂質異常症)
 高脂血症は血中のコレステロールまたは中性脂肪のいずれかまたは両者が高い病態をいいます。LDL(悪玉)コレステロール値140mg/dl以上を高LDLコレステロール血症、中性脂肪150mg/dl以上を高中性脂肪血症といいます。特にコレステロール(中でも低比重リポ蛋白LDL)の高値は冠動脈硬化症(狭心症,心筋梗塞)の原因疾患として最も重要です。最近はHDL(善玉)コレステロール40mg/dl未満と低い病態も含めて脂質異常症と総称します。食事療法や運動療法が重要なことは言うまでもありませんが、ときに家族性に発生するものもありますし、どうしても薬物の内服が必要な場合もありますので、検診で引っかかったことがあるという方はぜひ一度ご来院下さい。特に中性脂肪上昇型の方には糖質ダイエットがお勧めです。
 2-3年前に栄養学会の学者さんや一部の医師を含めて脳卒中の発生や死亡率から「コレステロールが高くても平気だ」などと吹聴したせいで現場の大混乱を来したのはご周知の通りですが、この20年間ぐらいの間に世界中で報告されたどのデータを見ても高脂血症の患者さんのLDLコレステロールは下げれば下げるほど動脈硬化が改善または予防できて延命効果があることは明らかです。もともと低コレステロール傾向の癌患者、肝硬変患者、羸痩患者さんなどを区別しない栄養学会の研究結果に惑わされることなく、コレステロール特にLDLコレステロール値が高い方は是非薬の内服を始めるべきだと思います。

2016.4.14.版 文責 眞弓久則

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脂質異常症の診断とタイプ


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脂質異常症(生活習慣病)の治療目的


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脂質異常症の運動療法


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