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ワーファリン内服中
 下記の当院パンフレットの通りですが、慢性心房細動、人工弁置換術後、肺塞栓症などの患者さんでは抗凝固剤であるワーファリンが必要です。当院ではワーファリンのコントロールも行います。パンフレットの内容をご参照下さい。

ワーファリン内服中の患者様方へ
  ワーファリン(ワルファリン)は肝臓で血液凝固因子を産生するのに必要なビタミンKに対する拮抗薬(邪魔をする薬)として用いられます(血小板凝集抑制剤のバッファリンとは別物です)。わざと血が固まり難いようにして、心房細動、人工弁置換術後、肺塞栓症などにおける血栓や塞栓の予防や治療に用います。概ねワーファリンの内服で血栓塞栓症のリスク5%/年→1%/年となります。
 ワーファリンの治療域: 投与量は人によって様々ですが、日本人の場合は1mg錠で18錠/日ぐらいが適量となります。ただし5錠/日以上になると飲み難いため、元来は高尿酸血症の薬であるパラミヂン(一般名ブコローム1カプセル/日を加えてワーファリンの投与量を減らすことが可能です。
 ワーファリンの適正な投与量を決定するため、通常1-2ヶ月に一度はPT-INR(正常人=1.0)を測定し値が1.52.5に保たれるようにします。開始時から安定するまでの数ヶ月は頻回にPT-INR(またはトロンボテスト)を測定する必要があります。
 INR1.5はワーファリン不足、INR2.5は効き過ぎ、と云うことになります。ワーファリンは通常一日量あたり0.25mg1mg錠で1/4錠、0.5mg錠で1/2錠)刻みで増減します。
 ワーファリンは決められた量を毎日きちんと飲んでください。その日のうちに飲めば多少時間がズレても全く問題ありません。1日ぐらいの飲み忘れは問題ありませんが、数日続く飲み忘れや、まとめ飲みは厳禁です。
 出血合併症: ワーファリンが効き過ぎると、打撲もないのに手や足に青あざができる(この程度は仕方ないと思ってください)、歯磨きすると血が出て止まり難い、白いはずの眼球結膜に出血してウサギの目のようになる、ひどい頭痛がする、黒いコールタール状の便が出る、フラフラする(=大出血の可能性)、等の副作用が出る可能性があります。ご注意ください。
 もちろん逆にワーファリンが不足すると血栓症や塞栓症を起こして致命的になる可能性があります(=ワーファリンは両刃の剣)。
 納豆とクロレラは禁止: ワーファリンはビタミンKの拮抗剤だと云いましたが、それ故にビタミンKを多く含む食べ物(=納豆とクロレラ)は禁止と云うことになります。その他の緑黄色野菜や緑茶も比較的多くのビタミンKを含みますが、ご家族と一緒に普通に食べる分ぐらいの量は問題ありません。
 ワーファリン増量は病気の悪化ではない: ワーファリンの効きが悪い(INR1.5)と判定された場合はワーファリンを増量します。しかしこれは決して病気がひどくなったと云うことではありません。一般的には肝臓の丈夫な方ほど大量のワーファリンを必要とします。逆に、肝臓が弱った時期(シックデイ(Sick day=長期の風邪やインフルエンザ、下痢など)には、ワーファリンが効き過ぎている(INR2.5)可能性があり、ワーファリンを減量する必要があるかもしれません。ワーファリンを内服中の方は、このシックデイにくれぐれもご注意ください。
 抗凝固剤NOAC: 2011年よりワーファリンの代わりとしてプラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなどという薬(抗凝固剤NOACと言います)が発売されていますが、どうしても納豆が食べたい方は変更が可能です。ただ一日分の薬価が約500-700円と高価です。PT-INRの測定は不要ですが、腎機能が悪い方や高齢者では効きすぎる事があります。
 
2016.4.17.版 岩槻駅西口プレミアムタワー2F
眞弓循環器科クリニック 眞弓久則
☎:048-790-1611 FAX048-790-1612

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