気管支喘息
発作を引き起こすはっきりとしたアレルゲンが存在する場合としない場合がありますが、いずれにしても気道の慢性的な炎症があって気道の攣縮をきたすものです。症状としては発作性に呼吸困難、喘鳴、咳を繰り返します。当院では、小児に多いアトピー型よりも、高齢者に多い非アトピー型をよく見かけますが、症状はより慢性的で通常冬期に増悪します。また、一日のうち深夜から早朝にかけて発作や呼吸困難が出現しやすいのが特徴です。診断にはピークフローメーターや通常の肺機能検査などを行います。薬物療法として気道の攣縮軽減、抗炎症治療、気道過敏性の改善なども行いますが、ステロイドの吸入薬が第一選択で最も重要な薬物です。ステロイドと言うと「怖い薬」と思い込んでいる方も居られますがあまり怖がる必要はありません。気道粘膜に塗る軟膏と思えば良く、ステロイドの成分が沁み込んでステロイドの血中濃度がドンと上がる訳ではありません。気道の慢性的な炎症を放置すると気道粘膜が肥厚して動脈硬化する血管と同じく「リモデリング」を起こし、後でいくらステロイドを吸入しても治らなくなります。
2016.4.21.更新 眞弓久則
▲気管支喘息の気道
▲気管支喘息治療ステップ(喘息予防管理ガイドライン2009より
▲気管支喘息コントローラーとリリーバー