意識を失った
意識消失と言っても、上記の「めまい、立ち眩み、眼前暗黒感」の項で述べた通り、短時間の一過性脳虚血発作（脳梗塞の一歩手前）や洞不全症候群や完全房室ブロックなどの徐脈（脈が極端に遅い）が原因（現在このホームページを読んでおられる方々はこっちでしょうが）のものと、半身不随などを伴って本格的に失神したまま意識が戻らないもの＝たぶん大きな脳梗塞、あるいは頭痛なや吐き気を伴って意識が薄れていく脳内またはクモ膜下出血によるものなど様々です。
後者の方には頭部CTやMRI検査が必要ですが、当院で検査や対応が可能なのは心電図や24時間心電図が必要なグループ、と言うことになります。重症の徐脈が原因の場合はペースメーカーが必要になることがをあります。自宅にデジタル血圧計をお持ちの方は取り敢えず朝晩の2回、血圧測定をしてみて下さい。血圧とともに脈拍数や脈の不整の有無を記録しておきましょう。
一方、24時間心電図でも異常がなく、失神の原因究明を脳外科や神経内科で受けても頭部CTやMRI的には問題が無い、と云われた人の場合はいわゆる「自律神経失調症」の失神と考えられます。以外と頻繁に見られ、長年に渡って時々フラーッと気を失うことがあるが痙攣はなく、脳外科や神経内科では「原因不明」などと言われている場合もあります。手足のしびれ、喉の違和感、不眠、食欲不振や逆に過食、動悸や息苦しさ、胸部痛や圧迫感、気分の落ち込み、全身倦怠感などはありませんか？SSRIやSNRIなどの抗鬱剤が著効します。
前の「めまい、立ち眩み、眼前暗黒感」の項も参照して下さい。
2016.4.24.更新 眞弓久則
