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心房細動(発作性心房細動慢性心房細動頻脈性心房細動徐脈性心房細動
 心房と心室の規則正しい調律の取れた拍動(=洞調律:図1下段)が崩れて、心房がしびれたような細かい動きをするとともに、心室は不等間隔でバラバラに拍動するようになった状態を心房細動(図1上段)といいます。一般には動悸(=ドキドキ)や胸部の不快感や圧迫感などの症状を起こすことが多いですメタボリック症候群に合併したりして原因が不明なままに起こる場合と、僧帽弁膜症などに合併して起こってくる場合があります。また時々短時間のみ発生する発作性心房細動とズーッと心房細動のままの慢性心房細動があります。
 心室の拍動が50-100/分に保たれていれば特に問題になることは少ないのですが、どちらかと云うと頻脈(ひんみゃく:脈が速過ぎる>100/分)になり易い傾向があります(頻脈性心房細動)。β遮断剤と呼ばれる脈拍を減らす力の強い高血圧症のくすりなどで心拍数を調節する必要があります。また外来で抗不整脈薬などの点滴や内服も可能です。
 一方、40/分以下の徐脈となった場合や3秒以上の心停止を伴うようになる(徐脈性心房細動)と心不全症状や、めまい、眼前暗黒感、失神発作を来すことがあり、永久型ペースメーカーの植え込みが必要です。  また心房細動の方は心拍数が正常でも血栓塞栓症(特に脳卒中:心原性脳塞栓症=しんげんせいのうそくせんしょう:一般の脳梗塞に比べ極端に死亡率が高いです)をきたす可能性が高くなりますので、抗凝固剤=ワーファリン(納豆禁止で有名)プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナ(以上はNOACと呼ばれる納豆は食べれるけどチョッと高価な新薬)の内服が不可欠です(一方、抗血小板凝集抑制剤=バイアスピリンやプラビックス、パナルジンなどはあまり効果がないと云われます)。発作性心房細動のうちは比較的簡単にカテーテルアブレーションという手術でほぼ完全に治すことができますが慢性化するとカテーテル手術はだんだん難しくなります。未治療の方はぜひ一度ご相談ください。

2016.4.17. 文責 眞弓久則


心房細動-squashed

図1:上部が心房細動=下部の正常心電図(洞調律)にある正常なPが消失ししびれた様なような細かい動きと脈どうしの間隔が不整になる


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