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左心室瘤
 
心臓の冠動脈の動脈硬化症は冠動脈の狭窄、閉塞をきたして心筋梗塞を起こすことがあります。左心室壁が広範囲に梗塞(壊死)を起こすと死亡する危険性がありますが、幸いに死亡を逃れても梗塞を起こした左心室壁が瘢痕治癒した部分は収縮力がなく、薄くなって収縮期には外側に向かって飛び出す状態になります。これを左室瘤といいます。左室瘤があると左心室壁全体の菲薄化が進行し心不全や左室内血栓の原因となります。また瘢痕化した左室瘤壁は重篤な不整脈の原因ともなります。軽度の左心室瘤は内服治療のみで対応できますが、高度なものは切除手術が必要です。

2016.4.17. 文責 眞弓久則

左心室瘤-squashed
左心室瘤(左)と切除手術後(右)

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