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先生の高血圧治療の方針を聞かせて下さい

高血圧症などの治療戦略と諸検査について
 高血圧症の投薬に関しては、日本高血圧学会のガイドラインに則って、緊張して高くなりがちな病院血圧より自宅血圧を重視しながら、朝から晩までいつ血圧測定しても正常であるような血圧を達成します。糖尿病慢性腎臓病の方などは通常よりも低めの血圧コントロールが必要です。
 血圧は季節変化しますが、十分な血圧コントロールを行うと夏季には収縮期血圧(上の血圧)が<100mmHgになる事が頻繁に見られるようになってきますので、そのおりに降圧剤を減量して行きます。中途半端な血圧コントロールは心負荷の軽減がないため心拡大がいつまでたっても軽減しません。その為に降圧剤は年とともにチビチビと増えてゆく事になります。
 このような血圧コントロールが巧く行っているかどうかの判定の為に、当院では年1回は心電図、胸写、心エコー、頚動脈エコー、採血、検尿を行う事をお勧め致しております。さいたま市にお住まいの方は市の検診をフルに活用して年1回の検査を出来るだけ安価に済ませましょう。
 「他院で検査済み」の場合は採血結果のデータの他に、心電図と胸写の判定結果(同じ「異常なし」でも検査の目的と検査医師の見方により異なりますので‥‥)だけではなく、心電図と胸写の現物かコピーをお持ち頂くようお願い致します。各企業の保健室や検査センターはご本人のご要望があれば必ず貸し出してくれるはずです。

2016.4.26.
更新 眞弓久則
 

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高血圧性心肥大の図

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