咳喘息
アレルギー性鼻炎(花粉症など)と気管支喘息の中間的病態とでも言いましょうか、とにかく花粉症などの季節を中心に「夜間から朝方に空咳(時に痰も出る) が2週間以上止まらない」、「風邪が治りきれずに内科で風邪薬を何回か処方してもらったけど、薬が切れるとまた咳が止まらない」、「のどの奥が痒い」などの症状が出ます。通常発熱はなく、花粉症(アレルギー性鼻炎)や小児の時に喘息があった、アトピーがあった、などアレルギー体質の方に良く起こります。花粉症が鼻水、鼻づまり、クシャミ、目の痒さなど、また気管支喘息がヒューヒュー音を伴った呼吸困難などが主症状なのに対して、咳喘息では文字通り「咳」が中心です。 治療としては感冒薬や咳止め、抗生物質を幾ら飲んでも治らず、基本的には「気管支喘息」と同じ薬が有効です。当院ではアドエアやシムビコートなどのステロ イド+長時間作用型β2刺激薬の合剤を中心に処方して良い成績を上げています。時に細菌性気管支炎や肺炎、肺結核、百日咳などとも鑑別が必要ですので、自宅での検温結果なども持参の上来院して下さい。また、放置すると約30%は気管支喘息に移行すると言われていますのでご注意ください。
2016.4.14.版 文責 眞弓久則
▲メカニズムは花粉症と同じ
▲安全なステロイド吸入薬
気管支喘息治療ステップ(喘息予防ガイドライン2009より)