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ポリオ不活化ワクチン
 これまでポリオワクチンは「生ワクチン」(生きたワクチンそのものを抗原にする)のみでした。弱毒性のウイルスを用いているとはいえ、一旦ウイルスが赤ちゃんの体内で増殖し、ごく稀にではありますが免疫力のない赤ちゃんでは実際にポリオを発症してしまったり、一部は赤ちゃんの糞便中に排泄される為、本人はどうもなくても周りの免疫抑制状態の家族の方などに病気としてポリオが発症したり、といった副作用がありました。
 不活化ポリオワクチンは生きたウイルスそのものを抗原にするのではなく、同じポリオウイルスの抗原性を持った、ポリオウイルスの「皮」の所だけを抗原として用います。このためウイルスが増殖してポリオを発症したり、家族にうつったりは絶対にしない訳です。しかし生ワクチンよりもマイルドですので、ワクチン接種は生ワクチンの2回より多くて、不活化ワクチンでは4回の接種が必要です。
 初めのころはこの不活化ポリオワクチンは単独のもの(イモバックス)だけでしたが、最近はジフテリア+百日咳+破傷風の3種混合ワクチンに追加して4種混合になっています。
 不活化ポリオワクチン(イモバックス)のさいたま市の公費接種は2012.9.1.より可能で、取り敢えずは3回分のみ認められているようです(詳細は下にある図表を参照して下さい)。いずれ4回目も公費接種になると思います。3ヶ月~7歳6ヶ月未満の子供を対象に、初回接種は20-56日間隔で3回接種します。この初回の3回接種終了から6ヶ月以上の間隔を置いて追加接種(第4回目)を行います。
 生ワクチンとの兼ね合いが気になるところですが、今後は生ワクチンは一切接種できません。公費負担もありません。キッパリと不活化ポリオワクチンへ切り替わります。生ワクチン接種0回不活化ポリオワクチン4回、生ワクチン1回のみ不活化ポリオワクチン3回、生ワクチン2回不活化ポリオワクチン不要、となります。不明な点は当院事務までお問い合わせください。
 なお他のワクチンとの混合接種に関しては、当院では何種類でも出来る範囲で接種しております(これまでの当院最高新記録は6種類かな?)。混合接種を躊躇して接種時期を逸する危険性を考えれば、多少の副反応の増加のリスクなどは目を瞑るべきだと考えます。

2016.4.14. 文責 眞弓久則


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