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アトピー性皮膚炎
 当院は皮膚科ではありませんが「アレルギー科」を標榜しており、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、咳喘息、食物アレルギー、蕁麻疹などとともに併存する疾患ということでアトピー性皮膚炎も治療しております。通常は「どこそこの皮膚科や小児科でなにがしかの薬を貰っているけど治らない」と来院されることが多いです。
 下図1のように顔面、頚部、軀幹部、四肢、頭皮内などのあらゆるところに慢性で再発性の皮膚炎、湿疹を来します。乾燥する冬場は特に症状が悪化します。生後2-3ヶ月から高齢者に至るまで様々ですが、通常は成長して20歳ぐらいまでには軽減することが多いようです。乳児や幼児などのアトピー性皮膚炎はダニ、ホコリ、スギ花粉などがアレルゲン(=アレルギーのもと)になることが多いですが、破綻した皮膚のバリアーから接触した小麦やその他の抗原が侵入してさらに多くの食物アレルギーも引き起こしてしまいます。
 治療はまずはステロイド軟膏ですが保湿も重要で当院ではヒルドイド軟膏と混合して処方することが多いです。飲み薬としては抗ヒスタミン剤が一般的ですが(当院来院時はすでに内服済みのことが多く)私は漢方系の薬として小児なら柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)、大人なら荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を中心に処方します。湿疹が強い場合は黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を追加します。苦い粉薬が苦手な方には四物湯+黄連解毒湯+十味敗毒湯の錠剤トリオで対応しています。

2016.4.21.
更新 眞弓久則

図1.35歳男性のアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎1-squashed
アトピー性皮膚炎2-squashed アトピー性皮膚炎3-squashed

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