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COPD(タバコ病)
 COPDとはChronic Obstructive Pulmonary Disease(慢性閉塞性肺疾患)の略で気管支や肺胞に難治性の炎症を生じ、「息切れ」「咳」「痰」などの症状があります。原因の約90%が喫煙によると思われます。世界の死亡原因の第4位にランクされており日本でもCOPD患者数は530万人以上と推測されています。しかし実際にはCOPDと診断されていない患者さんの方が多いようです。
 COPDの治療としてはその原因の大部分をしめる「喫煙」を止める事です。タバコの喫煙は吸い終わって1時間 もしないうちに血液中のニコチンが減りイライラや落ち着かないなどのニコチン切れ症状=禁断症状を引き起こします。これすなわち「ニコチン依存症」の状態です。禁煙にはニコチンパッチやチャンピックスなどと云った禁煙補助薬も保険で処方できますのでご相談ください。
 勿論、息切れや労作時の呼吸困難、動悸などの症状の強い方にはテオフィリン薬やβ2刺激薬などの気管支拡張薬の他、抗コリン吸入薬などを処方します。COPDが重症化するとちょっとした風邪やインフルエンザでも肺炎を引き起こして死に至る事がありますので早めの治療が大切です。 
 下図に質問表がありますので自分がCOPDかどうかチェックしてみてください。
 そして禁煙を決意された患者樣方のためにいくつかの禁煙補助薬があります。最近良く処方するのがチャンピックスいう薬です。「内服するうちにタバコの本数が自然に減って止められる」と云うのが売りですが、0.5mg錠で始めの一週間をかけて増量して行く間に完全禁煙に持ち込まないとなかなか禁煙は成功しない様です(=やはり若干の「意志と決意」が必要です)。二週目から11週間1.0mg錠を朝夕で内服して喫煙習慣を完全に断ちます。
 チャンピックスには嘔気、不眠などの副作用があり、極稀にですが意識障害などもあるため車の運転は控えていただきます。チャンピックスが飲めない患者様にはニコチンパッチなどもありますのでご相談下さい。ニコチン依存症禁煙外来の項もご参照下さい。

2016.4.21.
更新 眞弓久則



COPD禁煙外来1 私はすでにCOPD

COPD禁煙外来2
▲COPD患者の肺は真っ黒です

COPD禁煙外来3
一に禁煙、二に禁煙、三四も五もやはり禁煙

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