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心房中隔欠損症
 先天奇形のため左右の心房を隔てる心房中隔が一部欠損して穴があいた状態になったものです。初めのうちは血圧の高い左心房から右心房へ血流が漏れます(シャント)。通常は就学前検診までには発見されて手術されることが多いのですが、小児期までは症状はほとんどなく、かぜを引きやすい、検診の時心雑音がするといわれた、といったぐらいでしょう。心電図や胸部X線写真でスクリーニングして、心エコーと心臓カテーテル検査で確定できます。小学校に上がる前ぐらいが根治手術に最適です。
 普通は胸骨正中切開といって喉仏の下のあたりからみぞおちまで切開しますが、女の子の場合、手術創が目立たないように右後側切開などで手術することも可能です。さらに最近では心房中隔欠損症でもカテーテル治療が可能な場合もあります。穴が小さくて辺縁部が全周にわたって存在し、詰め物の「パラソル」(=オクルーダー)がキチンと引っかかる事が条件になります。
 成人の心房中隔欠損症は心拡大が進行して、心房細動、三尖弁閉鎖不全症、心不全などの合併症を起こしてくることがあります。場合によっては肺高血圧症が進行して右心房から左心房へのシャント(右左シャント)が発生し、チアノーゼが出てくると手術が出来なくなりますので早めにご相談下さい。

2016.4.19.
更新 眞弓久則

心房中隔欠損症-squashed

心房中隔欠損症


心房中隔欠損症のカテーテル手術で用いるオクルーダー(傘)-squashed

心房中隔欠損症のカテーテル手術で用いるオクルーダー(傘)

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