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甲状腺機能亢進症
 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態です。疲れやすい、頻脈と動悸手の震え、甲状腺部が腫れている、息切れ、発汗、イライラ、眼球突出、などの症状の他に、低カリウム血症周期性四肢麻痺なども起こることがあります。
 甲状腺機能亢進症のほとんどはバセドウ病が原因になっている事が多く下の図のように橋本病と同様に自己免疫疾患の一つと考えられます(最下図)。自分のリンパ球が自分の甲状腺組織を攻撃する為に作った抗体(TRAb)がたまたま甲状腺機能を調節する甲状腺刺激ホルモンの結合部(TSHレセプター)にピッタリのため脳下垂体から出るはずのTSHというホルモンに成り代わって甲状腺を刺激する、刺激された甲状腺は夜昼なくアクセル全開でぶっ飛ばす、と言う訳です。
 また甲状腺機能亢進の一部は亜急性甲状腺炎(亜急性甲状腺炎は鼻やのどの炎症に続いて起こることがあるウイルス性?の疾患です)でも引き起こされます。この場合は一旦「甲状腺機能亢進症」「甲状腺機能低下症」に変化することがあります。タンクローリー車の「衝突炎上」みたいにガソリン(=甲状腺ホルモン)漏れで爆発炎上した後はガソリン不足(甲状腺機能低下症)を起こすというわけです。この場合は痛みなどの症状を取りながら甲状腺機能が下がりすぎたら甲状腺ホルモン製剤を投与します。
 一方、TSHレセプター抗体のTRAbが上昇するバセドウ病の場合はメルカゾールという抗甲状腺薬を数年に渡って内服する(この辺までは当院で‥‥)か、ラジオアイソトープ治療あるいは外科手術などによって治療します。後者の場合はもちろん専門病院をご紹介しております。

2016.4.19.
更新 眞弓久則



甲状腺機能亢進症1-squashed
甲状腺機能亢進症2-squashed
甲状腺機能亢進症3-squashed

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