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狭心症

 運動時あるいは安静時の胸痛、胸部圧迫感、胸部不快感、肩または歯痛、息苦しさ、などの症状で発症する狭心症はいわゆる虚血性心疾患といわれる心臓病の一つです。通常は冠状動脈(左または右)の根元を中心に動脈硬化(あるいは血管の痙攣)で狭くなり(狭窄)心臓の筋肉(心筋)への血流が不足する(虚血)ことで末梢の支配領域の心筋に痛みが出ます。一過性の血流不足は一時的に胸痛が出るだけですが、長い時間血流が不足したり、完全に血行が遮断されたりすると支配領域の心筋が壊死(えし)に陥り、強くて長い胸痛が起こります。この状態を心筋梗塞といいます。虚血性心臓病の危険因子として、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、タバコ、肥満、その他の遺伝因子などが上げられます。
 心電図検査、トレッドミル負荷心電図、心筋シンチグラフィーなどでスクリーニングを行い、必要があれば心臓カテーテル検査を行います。狭窄に対しては投薬、冠動脈形成術、冠動脈バイパス術などが必要になることがあります。

2016.4.17.文責:眞弓久則


狭心症-squashed
冠動脈システム(心臓の表面を流れる冠動脈)

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