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風邪薬はどんな風に飲んだらいいのでしょうか?

感冒心得
1.漢方薬について
 当院では感冒やインフルエンザに対して、漢方エキス剤(または総合感冒薬)、抗生物質、喀痰融解剤、消炎解熱剤、うがい薬などを処方します。漢方薬は飲み難いという方は「水さき粉あと法」をお勧めします。(粉を先に口に入れてから水で流し込むと、漢方薬が口腔粘膜に張り付いてにおいや味が口いっぱいに広がってしまいます。そうではなくて、先に一口水を含み口の奥に水たまりを作ります(うがいをする直前の格好です)。この水たまりに向かって、封を切った漢方薬を流し込みます(この時、できるだけ漢方薬が口の粘膜につかないようにします)。あとは水をオブラートにしてゴクリと飲み込んで下さい。ふたくち目の水で口を濯いで終了です)(どうしても粉末がだめな場合、お申し出ください)。
 のどの痛みのひどい方に処方された、桔梗湯(ききょうとう)または桔梗石膏(ききょうせっこう)上述のごとく飲むときにガラガラとうがいをし、のどの粘膜に薬草を直接しみこませてからゴクリと飲み込んで下さい。(*なお漢方薬は食前の内服が原則ですが、食前に飲み忘れたら必ず食後に飲んでください。体格のいい方は多少多めに飲んでも構いませんが、ドキドキと不眠に注意です。)

2.解熱剤と鎮咳剤
 感冒罹患時の発熱と咳は生体の自然な防御反応です。むやみにこれらを押さえつけることは、逆に治癒を遅らせてしまいます。38度以上の発熱があって、体がだるい,食欲が出ない、頭痛や関節痛がひどい、などのときは処方されたカロナール等の内服またはインダシン等の坐薬を使用してください。
 咳に対しても同様ですが、咳がひどくて寝付けない,咳をしすぎて胸や腹が痛い、等の症状があるときに、咳止めのお薬を飲んでください。

3.抗生物質について
 のどに化膿性の炎症があったり、色の付いた痰が出る、等の症状がある場合は、「細菌感染」を疑って抗生物質を処方します。胃薬のムコスタなどを一緒に付けることが多いですが、下痢や腹痛などの副作用がひどければ一時的に中止してもかまいません。

4.再来?(治癒?肺炎?)
 4-7日分の薬で良くなればもう来なくても結構ですが、処方分の薬(1-2日分飲んだだけではわかりません)を数日飲んでも全く改善しない場合や、午前中は36度台に下がっても夕方から夜中にかけて38度台に上昇するパターンを3日以上繰り返す場合(これを弛張熱(しちょうねつ)といいます)は気管支炎や肺炎が疑われます。ただし、高齢者では発熱があまりなくても、食欲不振が長引くようなら肺炎が疑われ
ます。ただちに再来してください。
 また、医師も感冒と思ってお薬を処方したけど実際はアレルギー性の気管支炎=咳喘息だった、と云う場合もあります。この場合は咳が2週間以上続くのが特徴です。発熱はありません。ステロイドの吸入薬が著効しますので再度受診して下さい。

2016.4.26. 更新:眞弓 久則

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