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洞不全症候群
 心臓には刺激伝導系と呼ばれる神経のような組織があります。右心房と上大静脈の境目にある洞結節に始まり心房内へ分散した後、再度、房室結節と呼ばれる中継基地を経て左右の心室へ分散します。この刺激伝導系のうち最も重要な洞結節が加齢などによる変性が原因で十分に働かず、洞結節から心房への伝導が悪くなっ たり、洞結節自体が全く働かなかったりすることで、めまい、眼前暗黒感、痙攣を伴う失神発作、突然死を起こすことがあります。また運動時に正常人ほどの心拍数の増加が見られず、運動を中止した後の心拍数の低下が急激なため、心不全や疲れやすいなどの症状が出ます。重症の場合(40/分以下の徐脈や3秒以上の心停止)は永久型ペースメーカーの植え込みが必要です。洞不全症候群に、時々起こる頻脈発作を合併したものは徐脈頻脈症候群といわれ、洞不全症候群の一つの亜系と考えられています。

2016.4.29.更新 眞弓久則


洞不全症候群1-squashed
刺激伝導系

洞不全症候群2
洞不全症候群の心停止心電図(上図真ん中の行)

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