戻る

下痢する
 何か悪いものにあたってお腹が痛くなり下痢をする、かぜを引いた後お腹の調子が悪く下痢をする、などの原因がはっきりしていて、急性のものは整腸剤や柴苓湯(さいれいとう)などで簡単に治すことができます。ひどい下痢にはもちろん点滴などの水分補給が必要なこともあります。高齢者の方で、自分は若い頃よりしばしば下痢気味で、年をとってからよけいにひどくなったという方には真武湯(しんぶとう)などの漢方製剤が良いでしょう。高齢者の下痢で気を付けなければならないのは、最近急に下痢気味になってきた、下痢と便秘が交互に来る、血便のことがある、などの大腸癌を疑わせる下痢です。毎年、便潜血などの大腸ガン検診は受けていますか?
 最近多くなった気がするのですが、意外と気づかないのがアレルギー性の下痢です。花粉症、鼻炎、目のかゆみ、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、気管支喘息などの既往歴や合併があり、卵、牛乳、大豆、エビなど、「何々」を食べると必ず下痢をするという方はアレルギーが原因で下痢になっている可能性があります。アレルゲンの検査とともに、必要なら抗ヒスタミン剤や荊芥連翹湯などの漢方薬などを投与します。アレルギー性下痢症の項も参照して下さい。
 もう一つ忘れてならないのが過敏性腸症候群です。比較的男性に多いのですが女性にもあり、緊張すると電車やバスも途中下車して腹痛や下痢を催してトイレに駆け込む。お出かけ先のトイレの場所を確認していない所には不安で出かけにくい。ちょっとストレスがかかると下痢気味になるというものです。ストレス対応能低下症(+パニック障害、不安障害、軽症うつ病など)の項も参照して下さい。

2016.4.25.
更新 眞弓久則


戻る